専門的支援体制加算とは?対象職種・5年以上の経験・人員配置を解説【児発・放デイ】
専門的支援体制加算とは?対象職種・5年以上の経験・人員配置を解説【児発・放デイ】
KAWABATA MIKIKO OFFICEみなさんこんにちは。
大阪で障害福祉サービス事業所の
運営サポートを行っております行政書士の川端みきこです。
児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)には、
専門的な支援を行う職員を手厚く配置した事業所を評価する「専門的支援体制加算」があります。
この加算で重要なのは、
専門職等がその日に特定の児童へ個別の専門的支援を行ったかどうかではなく、
基準上必要な職員等に加えて、対象となる専門職等を配置している「体制」です。
この記事では、対象となる職種や「5年以上」の経験、人員配置、常勤換算、
職員が休んだ場合の取扱いなどを、令和8年(2026年)8月時点の制度に基づいて解説します。
専門的支援体制加算とは
専門的支援体制加算は、理学療法士等による支援が必要な児童への支援や、
家族に対する児童との関わり方の助言など、
専門的な支援を強化するための加算です。
算定するには、児童発達支援・放課後等デイサービスの給付費を算定するために必要な職員に加えて、
対象となる「理学療法士等」を常勤換算で1.0以上配置する必要があります。
一般的な児童発達支援事業所(児童発達支援センターや主として重症心身障害児を通わせる事業所等を除く)と
放課後等デイサービスでは、利用定員に応じて次の単位数が加算されます。
| 利用定員 | 単位数 |
|---|---|
| 10人以下 | 123単位/日 |
| 11人以上20人以下 | 82単位/日 |
| 21人以上 | 49単位/日 |
この「1日につき○単位」は、事業所全体に1日1回だけ加算されるものではなく、
算定要件を満たす利用児童ごとに、その利用日の給付費へ加算するものです。
算定を始める前に届出が必要
専門的支援体制加算を算定するためには、
あらかじめ指定権者へ加算の届出を行う必要があります。
算定要件を満たしていても、届出を行わずに加算を算定することはできません。
届出の期限や必要書類については、事業所を所管する指定権者の案内を確認しましょう。
専門的支援体制加算の対象職種・資格
専門的支援体制加算の対象となる「理学療法士等」は、次の職員です。
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
- 心理担当職員(心理学修了等)
- 視覚障害児支援担当職員(研修修了等)
- 5年以上の経験がある保育士
- 5年以上の経験がある児童指導員
保育士と児童指導員については、
資格や任用要件を満たしているだけではなく、所定の経験年数も必要です。
心理担当職員は公認心理師でなければならない?
国のQ&Aでは、心理担当職員について、
公認心理師などの資格を持つ人に限定されないことが示されています。
ただし、どのような学歴や経歴があれば心理担当職員に該当するのかについて、
公的資料から明確に判断できない場合もあります。
該当性の判断が難しい職員については、指定権者への確認が必要です。
保育士・児童指導員の「5年以上」の経験とは
専門的支援体制加算では、
保育士は保育士として5年以上、児童指導員は児童指導員として5年以上、
児童福祉事業に従事した経験が必要です。
ポイントは、保育士については資格取得後、
児童指導員については任用後の経験が対象となることです。
資格取得やその職種として配置される前の経験も含めることができる
児童指導員等加配加算とは、経験年数の考え方が異なります。
また、国のQ&Aでは、幼稚園での経験は含まれる一方、
特別支援学校、特別支援学級、通級による指導での教育経験は含まれないとされています。
そのため、単に「子どもに関わる仕事を5年以上している」というだけで判断せず、
資格取得・任用の時期や勤務先、従事した事業を確認することが大切です。
必要な人員配置と常勤換算1.0
専門的支援体制加算では、基準上必要な職員とは別に、
対象となる専門職等を常勤換算1.0以上配置します。
さらに児童指導員等加配加算を算定している場合は、
その加算に必要な職員も確保したうえで、
専門的支援体制加算の職員を配置する必要があります。
配置のイメージは次のとおりです。
- 基準人員
- + 児童指導員等加配加算の職員
- + 専門的支援体制加算の職員(常勤換算1.0以上)
児童指導員等加配加算のために配置している職員を、
そのまま専門的支援体制加算の1.0として重ねて数えることはできません。
多機能型事業所の場合
児童発達支援と放課後等デイサービスを行う多機能型事業所では、
同じ職員が両方の事業を兼務している場合、
両事業での勤務時間を合計して常勤換算要件を判断できます。
たとえば、児童発達支援と放課後等デイサービスの両方で保育士として勤務している場合、
両方の勤務時間を合計して所定の時間に達していれば、常勤換算要件を満たします。
対象職員が病欠や年休などで休んだ場合
専門的支援体制加算では、対象職員が休んだ場合の常勤換算の取扱いが、
常勤職員と非常勤職員で異なります。
常勤職員が休んだ場合
専門的支援体制加算の対象となる常勤職員が、
病気で欠勤したり、有給休暇を取得したりした場合でも、
直ちに配置要件を満たさなくなるわけではありません。
ただし、欠勤等が1月以上続く場合には、配置要件を満たさなくなります。
非常勤職員が休んだ場合
一方、非常勤職員が病欠や年休などで休んだ場合、
休んだ分の時間は常勤換算に入れることができません。
ただし、欠勤したその日に必ず勤務時間を補う必要があるわけではありません。
常勤換算は1週間単位の勤務状況で見るため、
同じ週の別の日に勤務時間を補い、全体で必要な常勤換算数を満たすことができます。
そのため、専門的支援体制加算の対象となる非常勤職員が休んだ場合は、
「休んだ日」だけを見るのではなく、その週全体の勤務状況を確認することが大切です。
| 配置形態 | 休んだ場合の扱い |
|---|---|
| 常勤 | 一時的な病欠・有給休暇があっても直ちに配置要件を満たさなくなるわけではない。ただし欠勤等が1月以上続く場合は満たさなくなる |
| 非常勤(常勤換算) | 休んだ時間は常勤換算に含められない。同じ週の別の日に補い、週全体で1.0以上を確保する |
なお、これらは専門的支援体制加算の常勤換算上の取扱いです。
基準上必要な児童指導員・保育士などが休む場合は、
サービス提供時間帯に必要な基準人員を確保する必要があります。
(自治体によっては、営業時間を通して基準人員の配置を求める場合があります。)
毎日、専門職が個別支援をしないと算定できない?
専門的支援体制加算は、専門職等を加配した「体制」を評価する加算です。
そのため、対象となる専門職等が、
その日に利用したすべての児童に対して個別の専門的支援を行うことが、
1日ごとの算定要件になっているわけではありません。
ただし、「専門職を配置していれば何もしなくてもよい」という意味ではありません。
この加算は、専門的な支援が必要な児童への支援や、家族への関わり方の助言など、
事業所の専門的な支援を強化するための体制を評価するものです。
個別支援計画とは別の計画書が必要?
専門的支援体制加算では、
通所支援計画(個別支援計画)を作成していない児童については、本加算を算定できません。
通所支援計画は利用児童ごとに作成する必要があります。
何らかの事情により未作成の児童がいる場合は、
その児童について専門的支援体制加算を算定することはできません。
これは、未作成の児童がいることで、
事業所全体について本加算を算定できなくなるという意味ではありません。
また、専門的支援体制加算のために、
通常の個別支援計画とは別の加算専用の計画書を作成することは要件とされていません。
「専門的支援実施計画」が必要となるのは、専門的支援実施加算です。
専門的支援実施加算との違い
名前が似ていますが、評価する内容が異なります。
| 加算 | 評価する内容 |
|---|---|
| 専門的支援体制加算 | 基準人員等に加えて専門職等を配置し、専門的な支援を行える「体制」を評価する |
| 専門的支援実施加算 | 専門的支援実施計画を作成し、その計画に基づいて実際に専門的な支援を行ったことを評価する |
専門的支援実施加算の詳しい算定要件については、
専門的支援実施加算とは?対象職種・人員配置・算定要件を解説で解説しています。
専門的支援体制加算を確認するときのポイント
自事業所で算定できるか確認するときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。
- 配置する職員が対象職種に該当するか
- 保育士・児童指導員の場合は5年以上の経験要件を満たすか
- 基準人員とは別に常勤換算1.0以上を確保できるか
- 児童指導員等加配加算を算定する場合は、その職員とは別に1.0以上確保できるか
- 常勤・非常勤職員が休んだ場合の常勤換算の取扱いを確認しているか
- 算定する児童について通所支援計画が作成されているか
専門的支援体制加算は、単に「専門職がいるか」だけではなく、
対象となる職種・経験と、事業所全体の人員配置をあわせて確認することがポイントです。
専門家に相談するメリット
「保育士の経験年数が5年以上あるはずだが、資格取得後の期間として足りているか分からない」
「児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を、同じ職員で重ねて数えていないか不安」
専門的支援体制加算は、対象職種の該当性と常勤換算の両方を満たす必要があるため、
判断を誤ったまま算定を続けると、返還額が大きくなりやすい加算でもあります。
行政書士など専門家に依頼することで、次のような対応が可能になります。
- 対象職員の資格・経験年数の確認と、根拠資料の整理
- 勤務形態一覧表による常勤換算1.0以上のチェック
- 加算の届出書類の作成サポート
- 運営指導に備えた記録・帳票の整備
大阪府下では自治体ごとに運用が異なるため、
地域特性に詳しい専門家のサポートは特に有効です。
参考にした公的資料
- こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
令和8年度の最新の報酬告示・留意事項通知・Q&Aが掲載されています。参照先 - こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(改正後全文)」
専門的支援体制加算の算定要件・単位数・対象職種を確認しています。参照先 - こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」(令和6年5月17日)
常勤職員の欠勤・有給休暇の取扱い、1月以上の欠勤の考え方を確認しています。参照先 - こども家庭庁「障害福祉サービス等報酬(障害児支援)に関するQ&A」
非常勤職員の欠勤時間と常勤換算、1週間単位の判断を確認しています。参照先 - こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
心理担当職員の資格の考え方、経験年数に含まれる従事経験を確認しています。参照先
まとめ
専門的支援体制加算は、対象となる専門職等を基準人員等に加えて配置し、
専門的な支援を行える体制を整えていることを評価する加算です。
ポイントは、対象職種に該当するか、
保育士・児童指導員であれば資格取得後・任用後に5年以上の経験があるか、
そして基準人員や児童指導員等加配加算の職員とは別に常勤換算1.0以上を確保できているかです。
職員が休んだ場合は、常勤か非常勤かで取扱いが異なり、
非常勤については1週間単位で常勤換算を確認します。
なお、計画に基づいて実際に専門的支援を行ったことを評価する加算については、
専門的支援実施加算とは?対象職種・人員配置・算定要件を解説をご覧ください。
※ 具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認のうえ、
自治体等へお問い合わせください。
ご不安な点がある方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
