専門的支援実施加算とは?対象職種・人員配置・算定要件を解説【児発・放デイ】
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2026.09.04コラム加算

専門的支援実施加算とは?対象職種・人員配置・算定要件を解説【児発・放デイ】

行政書士が徹底解説!

専門的支援実施加算とは?対象職種・人員配置・算定要件を解説【児発・放デイ】

KAWABATA MIKIKO OFFICE

みなさんこんにちは。

大阪で障害福祉サービス事業所の
運営サポートを行っております行政書士の川端みきこです。

児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)には、
専門的な支援を必要とする児童に対して、
専門職等が計画的に支援を行った場合に算定できる「専門的支援実施加算」があります。

「PT・OT・STなどの専門職がいないと算定できない?」
「今いる児童指導員でも対象になる?」など、
特に分かりにくいのが、誰が専門的支援を行えるのかという点です。

専門的支援実施加算では、PT・OT・STだけでなく、
一定の経験を持つ保育士や児童指導員も対象になります。
また、加算のために専門職を常勤で新たに配置しなければならないわけではありません。

この記事では、専門的支援実施加算について、
特に「誰が実施できるのか」「どのような人員配置なら算定できるのか」を中心に、
令和8年(2026年)8月時点の制度に基づいて解説します。

目次

専門的支援実施加算とは

専門的支援実施加算は、理学療法士等による支援が必要な児童に対して、
専門職等が個別・集中的な支援を計画的に行った場合に算定できる加算です。

専門職等を配置しているだけで算定するものではありません。
児童ごとに「専門的支援実施計画」を作成し、その計画に基づいて実際に専門的支援を行うことが必要です。

加算は、児童1人につき1回150単位です。
児童ごとに、実際に専門的支援を実施した日について算定します。

算定を始める前に届出が必要

専門的支援実施加算を算定するためには、
あらかじめ指定権者へ加算の届出を行う必要があります。

算定要件を満たしていても、届出を行わずに加算を算定することはできません。
届出の期限や必要書類については、事業所を所管する指定権者の案内を確認しましょう。

専門的支援実施加算の対象職種・資格

専門的支援実施加算の対象となる「理学療法士等」は、次の職員です。

  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 心理担当職員(心理学修了等)
  • 視覚障害児支援担当職員(研修修了等)
  • 5年以上の経験がある保育士
  • 5年以上の経験がある児童指導員

国の留意事項通知では、PT・OT・STのほか、
保育士、児童指導員、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員が対象として定められています。
大阪府の報酬改定ガイダンスでは、心理担当職員を「心理学修了等」、
視覚障害児支援担当職員を「研修修了等」と整理しています。

つまり、PT・OT・STなどの専門職がいなければ算定できない加算ではありません。
要件を満たす保育士や児童指導員も、専門的支援の実施者になることができます。

保育士・児童指導員の「5年以上」の経験とは

専門的支援実施加算では、
保育士は保育士として5年以上、児童指導員は児童指導員として5年以上、
児童福祉事業に従事した経験が必要です。

ポイントは、保育士については資格取得後、
児童指導員については任用後の経験が対象となることです。

資格取得やその職種として配置される前の経験も含めることができる
児童指導員等加配加算とは、経験年数の考え方が異なります。
児童指導員等加配加算では、資格取得・配置前の児童福祉事業の経験も含めることができるとされています。

基準人員や加配の職員でも実施できる

専門的支援実施加算では、対象となる「理学療法士等」を1以上配置する必要があります。

ただし、その配置は「単なる配置」で差し支えないとされており、
常勤で配置したり、常勤換算1.0以上を別に加配したりすることは求められていません。

要件を満たしていれば、次の職員が専門的支援を行うことも可能です。

  • 人員基準上必要な職員として配置されている職員
  • 児童指導員等加配加算で配置されている職員
  • 専門的支援体制加算で配置されている職員

例えば、基準人員として勤務する児童指導員が、
児童指導員として5年以上児童福祉事業に従事している場合、
その職員が専門的支援実施加算の実施者になることができます。

また、常勤であることも要件ではありません。
そのため、非常勤のSTを配置し、その勤務日に対象児童へ専門的支援を行うこともできます。

ただし、外部の専門職が事業所を訪問して支援を行えばよいというものではありません。
国のQ&Aでは、対象となる従業者は事業者と雇用契約を締結して事業所に配置されている者等を指し、
他法人等から専門職の訪問を受けて支援を行った場合は算定できないとされています。

算定には専門的支援実施計画が必要

専門的支援を行うためには、児童ごとに「専門的支援実施計画」を作成します。

この計画は、通所支援計画(個別支援計画)を踏まえて、
実際に専門的支援を提供する専門職等が作成します。
専門的支援実施計画は、個別支援計画とは別に作成する必要があります。

専門的支援実施計画には、主に次の内容を記載します。

  • 専門職によるアセスメントの結果
  • 5領域との関係の中で、特に支援が必要な領域
  • 専門的支援によって目指す達成目標
  • 目標達成のための具体的な支援内容
  • 支援の実施方法

これらは、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1の問16で、
専門的支援実施計画に記載することが想定される内容として示されています。

計画の作成や見直しに当たっては、対象児童や保護者に説明し、同意を得ることも必要です。
また、実施状況を把握し、必要に応じて計画を見直します。

専門的支援は30分以上実施する

専門的支援は個別での実施を基本としますが、
児童一人ひとりのニーズに応じた支援を確保したうえで、
5名程度までの小集団で実施することもできます。

また、その日の支援時間すべてを専門職等が担当する必要はありませんが、
専門的支援の時間は少なくとも30分以上確保する必要があります。

支援を実施した場合は、対象児童ごとに、実施した日時と支援内容の要点を記録します。

月に何回まで算定できる?

専門的支援実施加算は1回150単位ですが、
児童1人について月の算定回数に上限があります。

サービス月利用日数算定できる回数
児童発達支援12日未満月4回まで
児童発達支援12日以上月6回まで
放課後等デイサービス6日未満月2回まで
放課後等デイサービス6日以上12日未満月4回まで
放課後等デイサービス12日以上月6回まで

児童発達支援の限度回数は現行の留意事項通知に定められており、
放課後等デイサービスでは児童発達支援の取扱いを準用したうえで、
利用日数に応じた上記の限度回数が定められています。

専門的支援体制加算との違い

名前が似ていますが、評価する内容が異なります。

加算評価する内容
専門的支援体制加算基準人員等に加えて専門職等を配置し、専門的な支援を行える「体制」を評価する
専門的支援実施加算専門的支援実施計画を作成し、計画に基づいて「実際に専門的な支援を行ったこと」を評価する

専門的支援体制加算を算定していることは、専門的支援実施加算の前提ではありません。
専門的支援体制加算を算定していない事業所でも、
専門的支援実施加算の要件を満たせば算定できます。
また、両加算を併せて算定することも可能です。

専門的支援体制加算については、
専門的支援体制加算とは?対象職種・5年以上の経験・人員配置を解説で解説しています。

よくある質問(Q&A)

Q1.PT・OT・STがいなくても算定できますか?

はい。5年以上の経験要件を満たす保育士・児童指導員、
心理担当職員、視覚障害児支援担当職員も対象です。

Q2.基準人員として配置している児童指導員でも実施できますか?

はい。児童指導員として5年以上児童福祉事業に従事しているなど、
対象者の要件を満たしていれば可能です。

Q3.児童指導員等加配加算の職員でも実施できますか?

はい。留意事項通知で、児童指導員等加配加算で配置している職員による実施も可能とされています。
ただし、その職員自身が専門的支援実施加算の対象者の要件を満たす必要があります。

Q4.非常勤のSTを週1日だけ配置していても算定できますか?

非常勤であることを理由に対象外とはなりません。
専門的支援実施加算は、常勤や常勤換算1.0以上の配置を求めておらず、
「単なる配置」で差し支えないとされています。

ただし、対象児童ごとの専門的支援実施計画を作成し、
30分以上の専門的支援を実施するなど、その他の算定要件を満たす必要があります。

Q5.専門的支援体制加算を取っていなくても算定できますか?

はい。専門的支援体制加算の算定は、専門的支援実施加算の要件にはなっていません。

対象となる職員を配置し、専門的支援実施計画に基づいて必要な支援を行うなどの要件を満たせば、
専門的支援実施加算のみを算定することもできます。

専門家に相談するメリット

「専門的支援実施計画を作ってはいるが、記載内容がこれで足りているか分からない」

「30分以上の支援を行った記録の残し方が、運営指導で認めてもらえるか不安」

専門的支援実施加算は、児童ごとに計画と記録が必要になるため、
書類の整合が取れていないと、運営指導で指摘を受けやすい加算です。

行政書士など専門家に依頼することで、次のような対応が可能になります。

  • 実施者となる職員の資格・経験年数の確認と、根拠資料の整理
  • 専門的支援実施計画の様式づくりと記載内容の確認
  • 支援記録・実施日時の記録方法の整備
  • 加算の届出書類の作成サポート

大阪府下では自治体ごとに運用が異なるため、
地域特性に詳しい専門家のサポートは特に有効です。

参考にした公的資料

  • こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」
    令和8年度の最新の報酬告示・留意事項通知・Q&Aが掲載されています。参照先
  • こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(改正後全文)」
    対象職種、「単なる配置」の取扱い、30分以上の実施、限度回数を確認しています。参照先
  • こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
    専門的支援実施計画に記載する内容、他法人からの訪問による支援の取扱い等のQ&Aを確認しています。参照先
  • こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」(令和6年5月17日)
    専門的支援実施加算に関する取扱いを確認しています。参照先
  • 大阪府「障がい児支援指定事業者のページ」
    報酬改定ガイダンス等、大阪府における取扱いを確認しています。参照先

まとめ

専門的支援実施加算は、専門職等を配置しているだけで算定するものではなく、
対象児童ごとに専門的支援実施計画を作成し、
計画に基づいて30分以上の専門的支援を実際に行った場合に算定する加算です。

一方で、PT・OT・STを新たに常勤で雇わなければならないわけではありません。
5年以上の経験要件を満たす保育士・児童指導員や、
基準人員・加配としてすでに配置されている対象職員が実施できる場合もあります。

まずは、自事業所に対象となる職員がいるかを確認することがポイントです。

※ 具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認のうえ、
自治体等へお問い合わせください。

ご不安な点がある方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

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